NEWS |最新情報

「信じるって何なんだろうって思ってたんです。なぜ人は信じるんだろうって。」2025年6月13日、文理特進コース3年生(文系)の教室には、キリスト教徒とイスラム教が世界的宗教に発展した過程からその要因を考察している生徒がいました。この日のテーマはキリスト教とイスラム教。探究を通して自分を見つめ直すきっかけをつかんだ生徒の「探究」を紹介します。


奴隷や女性など生まれた時から虐げられてきた人々。幸せなんて考えることも出来なかった。でもキリスト教はそんな人にも希望を与え、誰もが幸せに生きていいと説いた。私は今、こうして学校に行き、勉強もして、幸せに生きてもいいんだと思えているけど、当時はそう思えない人たちがたくさんいて、その人たちを含む多くの人々の幸せに目を向けたから、キリスト教はこれほどまでに普及したのだ。こうして調べてみると、どんどん知りたいことが増えていく。いろんなことを知って、いろんな考えに出会える。それは私にとって幸せなことだと思います。


一方、別の生徒は、キリスト教徒イスラム教の身分制度から経済の発展を考察していました。前回考察を行ったイギリスの身分制度が面白かったという彼は、キリスト教やイスラム教の身分制度の知識も深め、経済を調べていたら宗教人口の統計にたどり着いたと言います。「一番びっくりしたのは、2050年には人口が逆転するんですよ!今後どうなっていくんだろう!!」好奇心の赴くままに次々にハテナを生み出しては展開していく様子が印象的でした。この日、生徒たちのメンターとして授業に訪れたチャプレンは彼に「一口にキリスト教と言っても地域によって異なるから、いろんなレイヤーで捉えると視点が広がるよ」とアドバイス。彼の目はさらに輝いたのでした。


世界史探究は、単なる暗記科目ではなく、思考力や探究力を養う科目です。歴史の流れを把握し、資料を読み解き、探究活動を通じて、より深く世界史を理解していきます。生徒たちは時にメンターの力を借りながら、個々に、テーマに対して問いを立てる力と、問いに対して自分の考察を加える力を育んでいます。心の底から湧き上がる疑問を素直に拾い上げ、知識を獲得しては伸び伸びと想いや考え広げます。アウトプットした後には、自分自身を肯定する自信に満ちた表情を見せてくれました。