【教職員研修】大人の在り方、これからの教育を考える
二学期を間近に控えた2025年8月29日、神戸松蔭大学の長谷川誠先生を講師にお招きし教職員研修を行いました。
社会情勢の大きな変化を背景に行われた生徒指導提要の改定。生徒指導の定義や目的に示されている「支える」がキーワードになっています。「『チーム学校』として生徒を支えること、そのためには教職員が学びあえる関係が不可欠だ」と長谷川先生。


また長谷川先生は、慶應義塾大学総合政策学部教授・中室牧子氏の著書『「学力」の経済学』の中から、教育は「従来の経験則や主観的判断に依存しがち」という言葉を引用されました。保護者を含め子供たちを取り巻く大人たちは、こと教育に当たって自らの成功体験こそ正解であると捉えがちだそうです。これまでの経験則から培った主観を取り払い、客観的な根拠に基づいた観点から考えることの重要性を説かれました。
大人たちが自らの成功体験に固執することは、これから先、今まで以上に急速に変化していく社会を生きる子供たちにどのような影響を与えるでしょう。未来を担う子供たちに、私たち大人の個人的な経験や成功体験が通用するでしょうか。本校の建学の精神「神を畏れ人を恐れず人に仕えよ」は難しい言葉ですが、「神を畏れ」とは、すなわち謙虚な心と捉えることができます。大人たちこそ改めて胸に刻みたい言葉です。

講話の最後には、教職員の世代間ギャップを埋める取り組み事例などについて教員から質問があり、対話や議論により教育への理解を共通のものとすることが大切であるとお答えいただきました。
本校は全科全コース男女共学2年目を迎え、多様な生徒とともに学びながら、それぞれの成長を支えるという役割を担っています。この度、講師をお招きした神戸松蔭大学は本校と同じ聖公会に属し、初代学長は本校創立者である八代斌助師父です。昨年には本校と高大連携協定を結びました。相互理解を深め、教育交流を促進することにより、教育の向上を図ります。